ノロウェイの黒牛 イギリス・スコットランドのむかしばなし

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なかがわちひろ 文 さとうゆうすけ 絵 BL出版株式会社

 私はこのお話が大好きなので、この絵本を見つけた時はとても嬉しかったです。

 昔、あるところに三人の姉妹がいました。ある時、三人はどんな人と結婚をしたいか、話していました。上の娘は伯爵より身分が低い人は嫌だと言い、中の娘は、せめて男爵と結婚したいと言いました。しかし、三人の中で最も美しい末の娘は、「わたしは、ノロウェイの黒牛でもいいわ。」と言いました。すると、ある朝、大きな黒牛が、末の娘を迎えにやってきたのでした。

 娘は黒牛の背中に乗って、旅に出ます。実は黒牛は呪いをかけられた美しい王子で、美しい娘が呪いを解いてくれるのを待っていたのです。

 昔の暗い雰囲気を漂わせる、繊細で美しい絵が、この物語にとてもよくあっていると思います。末の娘は白いドレスを着ていて、その様子は娘の心が美しいことを表しているのかなと思いました。長く続く娘の旅路は、どんなことを表しているのだろうと不思議です。汲んでも汲み切れない魅力があるお話です。

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